ロング戦略(現物取引)の設計思想

ロング戦略はGMOコインの現物取引口座を使い、ビットコインの上昇トレンドに乗ることを目的とした長期寄りの自動売買ロジックです。デイトレードのように細かく勝ち負けを繰り返すのではなく、相場の大きな流れを読んで、上げ相場の数か月をできるだけ長く保有することを狙います。過去5年超のヒストリカルデータで検証したバックテストをもとに、2026年3月に現在のパラメータを固めました。

中核となるのは3つの層です。1層目は5段階のフェーズ判定で、200日移動平均とその乖離率、50日移動平均の傾き、ADX(トレンド強度指標)を組み合わせて、相場を「BULL_TREND / RECOVERY / RANGE / CORRECTION / BEAR_TREND」の5つに分類します。BULL・RECOVERY・RANGEでは投資比率100%、CORRECTIONでは30%、BEAR_TRENDでは完全撤退(現金化)という配分を取ります。下落局面でムリに買い下がらず、素直に現金で待つ判断をコード側で強制しています。

2層目はトレーリングストップロスです。ポジション保有中は日足の高値を毎日更新し、ピーク価格から3%下落した時点で即座に成行決済します(バックテストで4%→3%への調整が最適と判明)。これにより、上げ相場では利益を伸ばし続けつつ、転換点では自動的に撤退します。「どこで利確するか」を人間が迷わないのが最大の利点です。

3層目は段階的再エントリー(再IN)で、SL決済後にATR(平均的な値幅)の0.5倍・1.0倍・2.0倍の押し目に3段階で買い注文を仕込みます。各段階に独立したSL(1%・2%・3%)を設定し、下げ止まりを確認しながら再び建玉を積み上げます。もし押し目に届かず上に抜けた場合は、逆指値(決済価格+0.5%)で追随エントリーします。最大15回まで再INを繰り返し、10日待っても条件を満たさなければタイムアウトして現金へ戻します。

取引コストはGMOコイン現物Takerの0.05%を前提にバックテストしており、往復0.1%のコストを吸収した上で右肩上がりの資産曲線を描くことを確認済みです。スリッページ(想定価格と約定価格のずれ)も本番運用では記録・監視しており、平均0.15%を超えるとアラートが飛ぶ設計になっています。

なお連続損失サーキットブレーカー(3連続損切りで一時停止する機構)は、バックテストで機会損失のほうが大きい(リターン-37%、MaxDD悪化)と判明したため、現在は無効化しています。カウント機構自体は残してあるので、将来スリッページや相場構造が変化した際にすぐ再有効化できます。

主要パラメータ

フェーズ判定軸

MA200 / MA50 / ADX / ±5%乖離率

トレーリングSL

ピーク価格から -3%

段階的再IN

ATR×0.5 / ×1.0 / ×2.0 の3段階、最大15回

逆指値バッファ

決済価格 +0.5%、最大待機10日

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バックテストと実運用ログ

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