チャートパターン戦略の設計思想

チャートパターン戦略は、KMeansクラスタリングで過去の値動きをパターン分類し、「今の相場が過去のどのパターンに似ているか」を統計的に判定してエントリーする戦略です。USD/JPY、EUR/USD、EUR/JPYの3ペアを対象に、毎朝7:30に前日日足確定後の1回だけ判定します。日足順張り(加重投票)とは異なるアプローチで、同じ日足の時間軸を別の角度から攻める位置づけです。

パターン検出のコアは11個の特徴量とKMeansクラスタリング(k=5)です。過去10日分の値動きから次のような特徴量を抽出します:レンジ圧縮度(range_compression)、回帰傾き(slope)、高値・安値の収束度(convergence)、安値・高値の位置(min_pos / max_pos)、折返し数(turning_points)、陽線比率(bullish_ratio)、直近3日変化率(last3_change)、レンジ内現在位置(position_in_range)、サポレジ接触回数(low_touches / high_touches)。これら11次元の特徴量ベクトルを5つのクラスタに分類し、クラスタ中心からの距離が3.0以内であればパターン候補として拾い上げます。

機械学習的に聞こえますが、ここでKMeansが行っているのは「似た形の値動きをグループ化する」というシンプルな作業だけで、予測モデルは使っていません。クラスタごとの過去の勝率・期待値を事前に計算しておき、有利なクラスタに入った時だけシグナル候補とする、統計的な後検証型アプローチです。

候補が出た後は複数のフィルターを通します。SMA200との位置関係でトレンド方向と一致しているか確認し、RSI(14)でペア別の閾値(USD/JPY: 45以上、EUR/USD: 40以上、EUR/JPY: 45以上)でスクリーニング、さらにTR5/TR20<0.9というスクイーズ条件(直近のボラが縮小中)を満たしたものだけを通過させます。

エントリーは逆指値による「待ち伏せ」方式です。BUYなら現在価格+0.X ATR、SELLなら現在価格-0.X ATRに逆指値を置き、有効期間4日で約定待ちをします。成行で即エントリーするのではなく、「狙った方向に動いたらそこで初めて参加する」ことで、だまし上げ・だまし下げを除外します。SLはPROBEエントリー時にATR×0.3という極めてタイトな水準。含み益が1R(SL幅と同じ値幅)に到達したらBE化し、その後は日足戦略と同じ適応トレーリングで利益を伸ばします。最大保有期間は15日です。

再エントリーは2ルート用意しています。ルート1(リスク段階上げ再IN)は、SLで負けた後に価格が回復したらリスク率を上げて再挑戦する攻めのルート。PROBEの1%から始まり、RE1で1.5%、RE2で2.0%、RE3で2.5%と段階的にロットを増やします。最大3回で打ち切り。ルート2(TSL利確後の押し目再IN)は、トレーリングSL利確後にトレンド継続を狙って逆指値で追随するルートで、最大3回・12日以内です。

過去30年・3ペア合算のバックテストで1,183件のトレード、勝率41.5%、プロフィットファクター2.76という結果を確認しており、日足順張りのPF2.01より高い期待値を示しています。「パターンが成立したときだけ参加する」選球眼の良さが、トレード数を絞りながらも高PFを実現している要因と考えています。

主要パラメータ

パターン検出

11特徴量 × KMeans(k=5)、距離3.0以内

逆指値待ち伏せ

ATRバッファ付き、有効期間4日

タイトSL

PROBE ATR×0.3 / 再IN ATR×0.6

2ルート再IN

リスク段階上げ / TSL利確後押し目、各最大3回

バックテスト実績

  • 検証期間   30年(USD/JPY・EUR/USD・EUR/JPY 3ペア合算)
  • トレード数   1,183件
  • 勝率   41.5%
  • プロフィットファクター   2.76
  • 最大保有期間   15日

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